2013年6月4日火曜日

第1回都政わいわい勉強会in東部地区報告

文責:林田力

第1回都政わいわい勉強会in東部地区が2013年5月25日に江東区住吉のティアラ江東・中会議室で開催された。約30名が参加し、活発な質疑応答が行われた。参加した立候補予定者は予定通り以下の7名である。

あぜ上三和子氏(共産党、現職、江東区)
河野ゆりえ氏(共産党、元職、江戸川区)
野上ゆきえ氏(みんなの党、現職、江東区)
川北直人氏(維新の会、新人、江東区)
大沢のぼる氏(民主党、現職、江東区)
桜井ひろゆき氏(自民党、現職、墨田区)
上田令子氏(みんなの党、新人、江戸川区)

勉強会では最初に立候補予定者が自由テーマでスピーチし、残りの時間を質疑応答にあてた。立候補予定者のスピーチでは政権放送的に政策を語るものから、都政わいわい勉強会in東部地区実行委員会が提示した公開質問状に沿ったスピーチ、有権者の政治姿勢に対する思いを語るものまで思い思いに語られた。

勉強会では多岐に渡る質問が出された。「保育政策」「都立病院廃止」「オリンピック招致」「特別区の位置付け」「小平市の住民投票」「築地市場移転」「マンション建築規制」などの都政の政策そのものの質問が中心であった。他には「野党共闘」「橋本徹・大阪市長の従軍慰安婦発言」など政党の姿勢を問う質問もあった。また、「アベノミクス」など国政マターの質問も出された。

勉強会で大きく浮かび上がった争点は保育政策である。待機児童を解消するために保育所を増設しなければならないという点は多数の一致するところであるが、保育所を認可保育所中心とするか、認証保育所やスマート保育所中心とするかで意見の対立が顕著であった。勉強会で提示された論点は以下のように整理される。

・税負担
認可保育所:大きい。但し、都政では外環道など不要不急の大型開発に税金を使っており、財源はあるとの主張も。
認証保育所やスマート保育所:小さい
・サービス品質
認可保育所:高いとされるが、画一的。全国基準で東京の現状に適合していないとの指摘も。また、認可だから事故が少ないとは言えないとの指摘も。
認証保育所やスマート保育所:低いとされるが、働く保護者の生活実態に合わせた柔軟なサービスが提供可能。
・利用者負担
認可保育所:小さい
認証保育所やスマート保育所:大きいが、認可保育所との格差是正が課題として認識されている。

税負担も利用者負担も必要ならば認めざるを得ないが、可能ならば小さい方が良い。一方でサービス品質については価値観が対立する。認可保育所の基準を必要なものと考えるか、過剰・無意味なものと考えるか。また、多様化する保育需要にどのように対応するか。この問題は保育だけでなく、特別養護老人ホーム待機者問題にも重なる。高齢者施設を行政主体とするか民間主体とするかにも重なる。

勉強会で盛り上がりが大きかった時間帯は異なる会派の立候補予定者が並んだ時間帯である。やはり有権者としては複数の候補者を並んで評価したいという意識がある。但し、これが成功した背景は参加した立候補予定者二人のキャラクターに負うところが大きい。

勉強会の司会をしての所感としては、立候補予定者紹介時に選挙区や所属政党だけでなく、趣味などを一言添えるようにしたが、それに対する聴衆の反応が良かった。政策を知ることは重要であるが、立候補予定者の「人となり」を感じたいという意識もあると思われる。

有権者側の課題として都政そのものへの認識の浅さは否めなかった。国政マターや区政マターとは異なる都政ならではの切り込みに欠けた。都政について勉強する必要性を感じた。立候補予定者からも貧困問題や開発問題などテーマを絞った勉強会にしたらとの意見が寄せられた。その試みとしては「都民参加への模索」研究会がある。東部地区でも是非とも実施したいことである。

反対に問題意識を持っている人の中には、認可保育所の増加や都立小児病院の存続など結論に固執する傾向が見られた。安心で廉価で高品質な保育や医療を提供するためにはどうすればいいかが本来の問題である。最初から認可保育所や都立病院でなければならないとの結論を押し付けるならば議論にならない。ここは立候補予定者に同情したくなったところである。

わいわい勉強会は原発都民投票を求める運動に携わった人々が始めた企画である。原発都民投票を求める運動に対しては「何故、原発廃止を求める運動ではなく、賛否を投票する運動なのか」との疑問が寄せられている。これに対しては都民一人一人が考えて選択する機会を提供するためという回答が提示された。考える機会そのものにも価値がある。
http://www.hayariki.net/tosei/report.html

0 件のコメント:

コメントを投稿